花も紅葉も、最高の見頃といえばほんの一瞬です。それらは自然の一部であるため、我々が開花の時期を調節することはできないのです。
その意味で、現地を訪れた人だけがその時だけ楽しむことができる一期一会の世界といえるでしょう。
今回はそんな、山における紅葉の魅力をお伝えします。
日本の山文化の財産、紅葉
四季の概念は日本独特の文化です。これは山の景観においても当てはまります。
春には低山の草花や花木、夏は高峰の高山植物が見ものです。冬はどの山も見事なまでに白一色の雪化粧を纏うのが風物詩ですね。
しかし、やはり秋の紅葉に勝るものはありません。特に色とりどりの紅葉が楽しめるのは日本の山ならではの魅力だといわれています。
つまり山の紅葉は日本文化の象徴ともいうべき、非常に価値のある財産なのです。
忙しく日々を送っていると、日常生活に直結しないという理由から文化の価値はわかりにくいものです。
しかし、こういった何気ない自然にも貴重な文化があるといえるでしょう。
目当ての紅葉を下調べしよう
全ての山が紅葉鑑賞に適しているとは限りません。まずは紅葉に関する情報を集めましょう。
例年の見頃やロケーションは雑誌やガイドブック、インターネットで収集できるでしょう。
目当ての紅葉スポットを絞り込んだら、次は今年の見頃についての詳細な情報を集めましょう。山の花や紅葉はその年の気候により見頃が変動するため、最新の情報が必要です。
紅葉の名所とされる山のある地域では、市町村やビジターセンターが紅葉を含む開花情報を提供している場合があります。
役場に問い合わせてもよいでしょう。そういった公式情報はおしなべて信頼性が高いといえます。
なお、紅葉の時期の花や樹木の名前を全て覚える必要はありません。
その地域やスポットごとの代表的なものを中心に、自分の好みに合わせて2~3程度覚えておけばよいでしょう。
目当ての花や樹木を見に行き、そこでさらに興味が湧いたならばより詳しく調べていけばよいのです。
交通機関の変動に注意しよう
紅葉のシーズンになると道路も混雑します。マイカー規制が行われたり、通常は無料の駐車場が一時的に有料になる場合があります。
その一方、救済措置として臨時電車や現地行のシャトルバスが運行する場合もあります。
以上を踏まえ、現地を訪れる時期が決まったら交通情報の確認が必要といえるでしょう。その上で最適な交通手段を決めれば万全です。
登頂は不要、親しみやすい紅葉登山
普段は登山に縁のない人でも、紅葉を見に行くと決まれば山に興味を持つことがあります。
そのような人にとっては紅葉が目当てであり、登山はそのプロセスに過ぎません。つまり登山の行程を苦にしない場合があります。
また紅葉が目当てであれば必ずしも山頂を目指す必要はなく、中腹や麓あたりで目的を達成できることも多いでしょう。
そんな自然な流れの中で登山の楽しさや魅力に気づく人もいるはずです。そのような人に対しては、紅葉鑑賞をきっかけとして次回の登山メンバーに加えるべく声をかけてもよいでしょう。
紅葉は登山人口の裾野を広げる意味でも一役買っているといえます。
まとめ
四季折々の楽しみ方ができるのも日本の山の大きな特徴です。紅葉を通じて、秋の山にも魅力があることをおわかりいただけたのではないでしょうか。
普段は登山をしない人でも紅葉には興味がある、というケースは多いのです。そのため、およそ登山客には見えないような装いの人や、お年寄りなども多数山を訪れます。
紅葉のシーズンになると、この時期特有の交通事情があるのもこのためです。
そのような交通事情を踏まえ、紅葉の見どころ、見頃を十分に調査し、ベストの紅葉を鑑賞する旅に出かけましょう。