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ランニングでは口呼吸?鼻呼吸?初心者ランナーが習得したい呼吸法の基本を解説

ランニングでは呼吸法が非常に重要ですが、口呼吸と鼻呼吸のどちらが正しいのかと疑問に感じたことはありませんか?

鼻呼吸が基本だと言われることもあれば、口呼吸の方がより多くの酸素を取り込めると言われることも。

そこで、ランニング初心者の方に向けて、正しい呼吸法について解説していきます。

正しい呼吸法を実践すれば、さらに体内の運動機能を向上させることも可能です。

初心者ランナー必見!ランニングにおける呼吸法の重要性とは?

初心者ランナーの方は、ぜひ「ランニングにおける呼吸法の重要性」について知っておいてください。

人間が体内に酸素を取り入れるための「呼吸」。糖質や脂質からエネルギーを生成するためには酸素が必要となるため、酸素がなければ走るためのエネルギーが生成されません。

正しい呼吸法を習得すればより運動のパフォーマンスを上げられるようになったり、疲れにくくなったりなどのメリットが得られます。

ランニングを始めようと思ったら、まずは理想的な呼吸法を習得するようにしましょう。

ランニングの呼吸は鼻?口?呼吸法ごとの働き&メリットを確認しよう

それではさっそく、ランニング中の呼吸法について学んでいきましょう。

まずは、「鼻呼吸」と「口呼吸」という呼吸法の基本について解説します。

それぞれの呼吸法の特徴を知って、より適切な方を使えるようになってください。

呼吸法ごとの働き

【鼻呼吸】有酸素運動でも最も楽で自然な呼吸法

鼻から呼吸をする「鼻呼吸」は、日常生活でも利用されている最も楽で自然な呼吸法です。

ランニングなどの有酸素運動でも基本の呼吸法とされますが、鼻呼吸には次のような特徴があります。

花粉症・感染症予防に効果的

医師からも推奨されている鼻呼吸は、鼻毛によってウイルスや細菌、花粉などの侵入を防げる呼吸法であるため花粉症や感染症予防に効果的です。

昨今ではコロナウイルスの影響もあることから、体内にダイレクトに酸素が入り込む口呼吸より、鼻呼吸の方が生活するにおいて安全性が高いと考えられます。

マスクをして走る場合は、通気性が良い素材のマスクを使って呼吸が阻害されないようにしてください。

鼻呼吸は免疫力低下を予防する

鼻呼吸は免疫力低下を防ぐためにも役立ちます。

前項のようにウイルスや花粉を除去できることも理由のひとつですが、口呼吸では喉の奥にある扁桃腺が乾燥し、免疫機能が低下しかぜを引きやすくなると言われているためです。

また、鼻呼吸で吸った酸素は鼻腔の中で温められることから、人体最大の免疫器官である腸を冷やしてしまうこともありません。

オーバーペース予防でお腹の痛みを軽減

この後に解説しますが、口呼吸は酸素を多く取り入れやすいことからオーバーペースになりがち。

しかし、取り入れられる酸素の量に限りがある鼻呼吸をメインにすると、オーバーペースを予防できることからランニング中のお腹の痛みを軽減させることに繋がります。

【口呼吸】ランニングで補助的に活用できる呼吸法

鼻呼吸の特徴について解説しましたが、それでは口呼吸にはどのような特徴があるのでしょうか。

鼻呼吸が優れているとは言え、ランニング時には口呼吸を使った方が良い場面もあります。

肺により多く酸素を取り込みたいときの補助役

口呼吸をすると、鼻呼吸より多くの酸素を体内に取り込めます。

初心者ランナーが口呼吸をするとオーバーペースになりがちですが、より多くの酸素を肺に取り込みたいというシーンでは口呼吸を併用するとより高度なランニングが可能に。

活用シーンとしては、ゴール前でスパートをかけるときや負荷の大きい坂道を走行するときなどが考えられます。

鼻呼吸がつらい人は口呼吸でもOK

さまざまな点から優れているとされる鼻呼吸ですが、「ランニング中に鼻呼吸をするとつらい」という方も少なくありません。

口呼吸の方が自然に、楽に呼吸ができるようであれば、無理に鼻呼吸をせず口呼吸にしましょう。

特に喘息や気管支炎などの疾患を抱えている方であれば、口呼吸の方が楽だと感じられることも多いはずです。

口呼吸は喉の痛みが起きるリスクも…

口呼吸が楽であればランニング中にも取り入れて構いませんが、口呼吸でランニングをすると喉の痛みが感じられることもあるため注意してください。

口呼吸では乾いた外気がそのまま体内に取り入れられることから、口や喉が乾きやすくなり、痛みが生じたり水分が余分に必要になったりすることもあります。

【腹式呼吸】持久力&スピードアップが図れる呼吸法

鼻呼吸・口呼吸のいずれを採用するにしても、ランニング中はお腹を使った「腹式呼吸」をおすすめします。

呼吸をしたときに胸が上下する「胸式呼吸」は浅い呼吸法であり、お腹が膨らんだり凹んだりする「腹式呼吸」は深い呼吸法。

横隔膜を使用する腹式呼吸では、体内により多くの酸素を取り入れられることから持久力とスピードアップに効果的であり、ランニング中の呼吸法として最適です。

口呼吸・鼻呼吸のどちらでも楽な方を選ぶことがおすすめ

ランニング中に「口呼吸と鼻呼吸のどちらを基本とするべきか」という問題に関しては、「鼻呼吸の方がおすすめだが楽な方を選ぼう」と結論付けられます。

無理に鼻呼吸をしようとしてランニングに集中できないようであれば、自然に呼吸ができる口呼吸の方がおすすめ。

ただし、ランニングの正しい呼吸法をマスターしたいという方は、次の項目から解説する「口と鼻の両方を使う呼吸法」を参考に練習してください。

長距離ランニングをするためには必須!口呼吸・鼻呼吸の基本を知ろう

長距離ランニングを目指している方は、口呼吸と鼻呼吸の両方を利用する理想的な呼吸法をマスターしましょう。

また、呼吸法のポイントを押さえておけばより楽に走れるようになります。

長距離ランニング呼吸法

一定のリズムで呼吸をする

ランニングの基本的な呼吸法は、一定のリズムを刻みながら呼吸をすること。

基本である「4拍子呼吸法」と「6拍子呼吸法」の2通りの呼吸法をご紹介します。

4拍子呼吸法

4拍子呼吸法とは「スースーハーハー」と、2回連続で吸って2回連続で吐くという呼吸法。

足を1歩踏み出すごとに1回呼吸をすることになるため、4歩分で4拍子呼吸法1回分となります。

初心者の方はまず、4拍子呼吸法を習得できるよう意識的に練習してください。

6拍子呼吸法

6拍子呼吸法とは「スースースーハーハーハー」と、3回連続で吸って3回連続で吐くというイメージの呼吸法。

4拍子呼吸法と同じように、1歩踏み出すごとに1回呼吸をしましょう。

6拍子呼吸法が向いているのは、4拍子呼吸法よりもペースを落としたランニングのとき。

ただし、心肺機能が低い方には難しく感じられるはずなので、ある程度ランニングに慣れた中級者以上の方におすすめします。

口呼吸・鼻呼吸の回数は心拍数にあわせて

口呼吸や鼻呼吸の回数は心拍数にあわせて行うとランニング時の呼吸が楽になります。

心拍数が上がるということは、心臓からの血液の流れが早くなり多くの酸素が二酸化炭素に変化しているということ。

そのため、二酸化炭素を排出するために、よりたくさんの呼吸が必要となるためです。

そこで、心拍数と呼吸数の相関性を考えると、ランニング中により効率的に二酸化炭素を吐き出し、酸素を取り込めるようになります。

心拍数が上がっていないときは6拍子呼吸法にし、上がってきたら息切れしないよう4拍子呼吸法に変えるなど、心拍数の変化により呼吸法を変えられるとよりランニングが楽になるでしょう。

口を開けて走るのはスピードを出しすぎている可能性も

ランニング中にどうしても口呼吸をしてしまうという場合は、自分の体力より高負荷のランニングになってしまっている可能性があります。

最初に解説したように、口呼吸ではより多くの酸素を取り入れられることから、オーバーペースになりがち。

しかし逆に考えれば、オーバーペースになっているから口呼吸が必要になることも考えられます。

少しペースを落として走ってみると、口を閉じて走ることができるはずです。

マラソンでも疲れない呼吸法を取得しよう!体内への酸素量を増やすための方法は?

それでは最後に、10キロマラソンなどの長距離ランニングに挑戦したいという方のために、応用として体内への酸素供給量を増やすための呼吸法を解説します。

疲れない呼吸法

呼吸筋ストレッチで肺の筋肉量を増やす

肺を膨らませるために使われる「呼吸筋」という骨格筋を鍛えることで、肺活量を大きくし、ジョギング・ランニングの際により多くの酸素を体内に取り入れられるようになります。

ランニング時に必要な呼吸筋の鍛え方は次のとおりなので、肺活量を大きくしたい方はぜひ取り組んでみてください。

  1. 姿勢を正した状態で両手を鎖骨の下に置く
  2. 両手で下方に力をかけながら深呼吸をする
  3. 両手を上に挙げて左手首を右手でつかむ
  4. 上半身を右側に倒し深呼吸をする
  5. 反対側も同じように行う
  6. 両手を尾てい骨のあたりに当て息を吸いながら肩甲骨を寄せる
  7. 腰を反らせるような感覚でお腹を伸ばす

どこででもできる簡単な筋トレなので、トレーニング前後のストレッチや寝る前などに取り入れて呼吸筋を鍛えていきましょう。

「鼻トレ」を実践して鼻呼吸を習得する

「鼻トレ」とは鼻の機能を向上させるためのトレーニング法です。

「1分間で体がすっきり生き返る鼻トレ!」という書籍の中で紹介されているトレーニングで、実践することで効果的な鼻呼吸ができるようになり、体全体の巡りが改善され集中力が増すというもの。

鼻呼吸のみでランニングをしたい、もっと上手に酸素を取り入れたいと考えている方は、ぜひ鼻トレを試してみてはいかがでしょうか。

ランニング中の鼻呼吸で鼻水が出るなら鼻洗浄を

寒い季節になるとランニング中の鼻呼吸で鼻水に困らされることが多くなりますが、鼻水が出るなら鼻洗浄を行ってみてください。

鼻水が出るのは、乾燥した空気から鼻腔を守ろうとする身体の働きが原因。

そのため、鼻腔を保湿してくれる鼻洗浄をすることで解決できる可能性が高まります。

ランニング前に生理食塩水を鼻から吸い、口から吐き出せば厄介な鼻水が出ることも少なくなるでしょう。

ランニングでは鼻呼吸・口呼吸のどちらも大切!ペースにあった呼吸を心がけよう

ランニングでは鼻呼吸が基本とされていますが、酸素をより多く取り入れるためには口呼吸も併用すると効果的です。

さらに、「鼻から吸って口から吐く」という呼吸フォームが理想的とされることから、鼻呼吸も口呼吸も重要となります。

最初は腹式呼吸が難しく感じられるかもしれませんが、生活習慣として取り入れて習慣化していけば、いつか自然に行えるようになるはずです。

初心者ランナーの方でランニングで呼吸が苦しい、呼吸がうるさいことを改善するなら、今回ご紹介した基本の呼吸法を練習し習得してください。

きっと今までよりランニングが楽だと感じられるようになります。

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