登山・山歩き

登山前後に実践したいストレッチ!途中で足がつる?翌日に疲れを残さないポイント解説

登山は筋肉を酷使する運動であるため、翌日のひどい筋肉痛や膝の痛みに悩まされているという方も多いもの。

しかし、登山前後にストレッチをすることで疲労を回復させ、筋肉や関節の痛みを大幅に軽減させることも可能です。

そこで、登山前・下山後に行いたいストレッチをそれぞれご紹介していきます。

また、最後に登山の疲労軽減に役立つ注意点も解説。今後の参考にして、翌日も元気に動けるようになりましょう。

登山後の疲労はストレッチ&マッサージで変わる

全身がだるく、筋肉痛で動けない…。登山やハイキングをした後に疲労・筋肉痛で悩んでいる方には、登山前後のストレッチとマッサージをおすすめします。

実は登山後の疲労感は、ストレッチとマッサージによって大きく軽減されるもの。

特に日常的に運動や筋トレをしていないという人であれば、アウトドアの前後にストレッチを行い、筋肉をほぐすだけでも大きな効果が現れると考えられます。

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ストレッチの効果を最大限に引き出す5つのポイントとは

ストレッチは登山の疲労感軽減に役立ちますが、最大限の効果を得るためには、ご紹介する5つのポイントを守ることが大切。

ストレッチを実践する際には、ポイントを意識しながら行いましょう。

ストレッチのポイント

ストレッチ中は自然な呼吸をする

余分な力を入れず適切に筋肉を伸ばすためには、自然な呼吸を行うことが基本です。

呼吸が止まると体に無駄な力が入ってしまうため、呼吸を止めることなく、普段と同じように呼吸をしながら行ってください。

弾みをつけずにゆっくりと伸ばす

筋肉の回復を促進させるためには、弾みをつけず、ゆっくりと筋肉を伸ばすようにしましょう。

ゆっくりと伸ばし、筋肉が伸びたところで20秒以上キープすることがコツ。

ただし、後にご紹介する「動的ストレッチ」では反動をつけたほうが効果的です。

痛みがない程度に伸ばす

筋肉は痛みを感じると伸張反射によって硬直するため、ストレッチの効果が現れません。また、ケガをしてしまう可能性もあります。

ゆっくりと筋肉を伸ばしたら、気持ちよく、痛みを感じない程度で止めましょう。

登山前は「動的ストレッチ」で筋温を上げる

登山前に行うストレッチは、関節を動かし、筋肉の収縮を繰り返す「動的ストレッチ」です。

動的ストレッチの効果は、筋肉や筋膜、腱を柔軟にし、筋温を高めるというもの。

筋温を高めることで、筋肉が正常に動くようになります。

登山後は「静的ストレッチ」で筋肉を緩める

登山後に行いたいのは「静的ストレッチ」です。

静的ストレッチとは、ゆっくりと筋肉を伸ばすことで伸張反射を抑え、体をクールダウンさせるための運動。

緊張状態にある筋肉を緩め、リラックスさせることで筋肉の回復を促進させます。

登山前に実践したい!筋肉痛予防の準備運動ストレッチ

それではまず、登山前に実践したいストレッチを部位別にご紹介します。

事前にストレッチで筋温を高めておけば、翌日のつらい筋肉痛を予防するためにも効果的。

それぞれの部位の筋肉を意識しながら行っていきましょう。

意識する部位

ふくらはぎのストレッチ

登山で酷使されるふくらはぎの筋肉は、入念にストレッチをして温めておいてください。

  1. 両手両足を地面につけて両膝・両肘を伸ばす
  2. お尻を突き上げるようにする
  3. 両方の爪先を上げ下げする
  4. 右のアキレス腱に左足を乗せて爪先立ち
  5. 左足も同様に行う

太もものストレッチ

太ももの筋肉が動くようにしておくことは、登山で疲労を感じにくくするための重要なポイントです。

  1. 左足で片足立ちになり右かかとをお尻につける
  2. 右足で片足立ちになり左かかとをお尻につける
  3. 1~2を素早く、リズミカルに繰り返す

お尻のストレッチ

登山で意外と使われるのがお尻の筋肉。普段あまり使われない部位だからこそ、事前のストレッチが大切となります。

  1. 背筋を伸ばして前傾姿勢になり右膝を少し曲げる
  2. 右膝に左足首を乗せる
  3. 左かかとと左膝に両手を置き下に押すようにする

股関節のストレッチ

登山後に股関節に痛みを感じるという方は多いもの。

しかし、ストレッチをしておくことで登山後の痛みも軽減されます。なるべく大きな動きで行いましょう。

  1. 右手を上げながら左足を後ろに蹴り上げる
  2. 右手を下げながら左足を前に蹴り上げる
  3. 1~2を数回繰り返す
  4. 反対側も同様に行う

温泉後に行う!下山後に実践したい疲労回復ストレッチ

下山後は達成感があり、ビールや温泉…とさまざまな楽しみで開放的な気分になりたいもの。

しかし、もし温泉に入るのであれば、入浴後は忘れずにストレッチをしてください。

下山後のストレッチで筋肉の回復力は大きく変わります。

疲労回復ストレッチ

筋膜リリースストレッチ

筋肉が動いた後は筋膜との癒着が起こり、ストレッチの効果が現れにくくなります。

そのため最初に筋膜リリースストレッチをして、筋肉との癒着を解消することが必要。

テニスボールや野球のボールを使って行うストレッチです。

筋膜リリースストレッチは特にやり方などはなく、疲れが溜まっている部位にボールを当て、自重で圧力をかけるだけです。

ボールを床に置いて、疲れた部位を上から押し当てるようにしてください。

脚からお尻までの下半身基本ストレッチ

登山後は下半身をゆっくりと伸ばす基本的なストレッチで、筋肉をほぐしてあげてください。

筋肉の伸びを意識しながら行うことが効果を得るためのポイントです。

  1. 背筋を正し、足を伸ばして座る
  2. 膝を曲げて太ももを胸につける
  3. 手で爪先をつかんだらゆっくりと足を前に出す
  4. お尻の筋肉の伸びを感じたら20秒以上キープ

股関節と腸腰筋を緩めるストレッチ

腸腰筋は背骨を固定している筋肉であり、バランス感覚の必要な登山では無意識のうちに使われています。

また、股関節は腸腰筋や太ももの筋肉の影響を受けて痛むこともあるため、ストレッチで疲労を和らげてあげるようにしてください。

  1. 直立して右足を一歩前に出す
  2. 両膝を曲げて腰を落とすようにする
  3. 視線を上に上げて両手で腰を軽く押す
  4. 20秒以上キープ
  5. 直立に戻り左足を前に出して同じように行う

登山後のつらい膝痛や股関節痛に効くストレッチ

登山後に膝痛や股関節痛がひどい場合は、ご紹介するストレッチが効果的。

ただし、痛みがひどく炎症が見られる場合は冷やして安静にし、痛みが長引くようなら病院を受診してください。

膝痛や股関節痛に効くストレッチ

膝の痛みを軽減させる膝~太もものストレッチ

膝関節は太ももの大腿四頭筋によって動いているため、太ももの前側を伸ばすストレッチを行いましょう。

日常的に太ももの筋肉を鍛えておくことも、痛みの予防には大切です。

  1. 壁の横に立ち右手を壁につけて体を支える
  2. 左かかとをお尻に近づけるように曲げる
  3. 左手で左爪先を持つ
  4. 左足をゆっくりと後方へと引く
  5. 反対側も同様に行う

股関節の痛みを軽減させる腸腰筋ストレッチ

股関節の痛みは腸腰筋が原因で起きていることが多いとされます。

上半身のバランスを保ち、股関節を動かす機能を持つ腸腰筋が疲れることで痛みが発生。

登山後に痛みが現れた場合は、しっかりとケアしてあげましょう。

  1. 右膝を床につけて片膝立ちになる
  2. 腰に両手を当てて姿勢を正す
  3. 左脚を伸ばしながら重心を少しずつ前方に移動させる
  4. 左太ももの付け根が伸びるように意識する
  5. 反対側も同様に行う

登山の疲労を残さないための3つのポイント

登山後の疲労を残さないための方法は、ストレッチだけではありません。

服装や食べ物、湿布・マッサージなどを併用することで、疲労回復速度はより早まります。

疲労を残さないポイント

ストレッチ性のあるジャケット・パンツ・レインウェアを使う

登山用の服装では伸縮性のあるストレッチパンツなどが基本ですが、体を締め付けず、動きを楽にするストレッチ素材は疲労軽減にも役立ちます。

窮屈な服装で山登りをすると、無駄に筋肉やエネルギーを使用してしまうことに。登山にふさわしい服装で登ることが大切です。

登山後は栄養のある食べ物で疲労回復

大量のエネルギーを消費する登山。下山後に栄養たっぷりの食事を摂ることは、疲労回復のための基本中の基本です。

エネルギー源となる糖質と、筋肉の回復に使われるタンパク質を積極的に摂取してください。もちろん、水分補給も忘れてはいけません。

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湿布やマッサージを活用する

ストレッチに加え、湿布での冷却、血流改善のマッサージを行うことがおすすめ。

湿布は登山で損傷した筋肉の炎症を抑え、血流改善マッサージはストレッチ同様、疲労状態の筋肉を回復させる効果が期待できます。

まとめ

登山後の疲労感や筋肉痛を軽減させるためには、身体を「登山ができる状態」にしておき、下山後に「筋肉を労ってあげる」ことが必要。

特に冬場は気温が低く、春・夏よりも体が固まっていることが多いもの。

ストレッチで筋温を高め、筋肉が正常に動くよう登山前にコンディショニングをしましょう。

もちろん、スポーツやトレーニングで筋力を高めることも大切ですが、登山後に何日も歩けないほどの筋肉痛が残るという方は、ぜひ次の山に登るときに試してみてください。

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