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登山でも体力は大切!個人差が大きい加齢による身体能力の低下

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今回は加齢と身体能力の低下を取り上げます。随分悲観的なテーマだな、と思われるかもしれません。

しかし、事実を客観的に把握できてこそ対策の打ちようもあるというものです。まずは、これらを避けがたい現象であるものだと認識するところからスタートしましょう。

また、体力で劣るはずの年配層の中にも、ベテランや達人の域に達している登山者は多数います。これには何らかのヒントがあるはずです。併せてチェックしていきましょう。

加齢と身体能力の関係

成人した後、加齢に伴って徐々に体力が落ちていくことは誰もが直感的に理解しています。

その一方で、「自分はまだ若い、まだ元気だ」と信じたいのも事実です。老いを認めるのはやはり怖いことなのです。

登山に関わる身体能力として、特に注意したのは「平衡感覚」です。

全身持久力や脚力、敏捷性、柔軟性といった一般的な体力に関わる能力は加齢に伴い徐々に衰えていくものですが、平衡感覚に関しては30歳頃から加速度的に低下していくのです。

この点についてはあまり知られていないため、改めて注意を喚起します。平衡感覚の低下は転倒・転落・滑落に直結する要因であり、また筋力や体力だけでカバーできるものでもありません。

これを踏まえ、登山時の動作としては転倒や転落、滑落を予防するような体の使い方を意識する必要があるともいえるでしょう。

また、体力で劣るはずのベテラン層の立ち居振る舞いにムダがない理由の1つがここにあります。動きのムダをなくし、自らがバランスを崩すリスクを合理的に排除しているのです。

全盛期と現在のギャップを認識しよう

「昔とった杵柄」という言葉があります。日本人はこの言葉が大好きな民族です。「昔は簡単にできたから、今もできるに違いない」と、つい過信してしまうのです。

登山においてもそれは当てはまり、加齢に伴う身体能力の衰えを度外視して、全盛期の頃と同じような難易度の山やコースを選んでしまうことがあります。

例えば20代の頃に登山に打ち込んでいた人が、50代になって時間ができたからといって再びに山に挑んだとします。ブランクの期間は約30年。

この例の場合、20代の頃と比べると身体能力の衰えは実に30%~40%に相当するといわれています。

実はある程度スポーツの経験や、身体能力に自信を持っている人ほど要注意なのです。

なまじ全盛期のイメージが脳裏に残っているため、当時と同じペースで歩こうとしてすぐにバテてしまったり、筋力が追いつかず転倒してしまったりといったしっぺ返しを被る恐れがあるのです。

ブランクを経て登山を再開する場合は、当時と同じ難易度の山は避け、行程の短い山を選びましょう。そこから少しずつ体力や勘を取り戻し、山の難易度も上げていけばよいのです。

年配層でも、例外はある!

年配だからといって体力がないとは限りません。

プロサッカーのキング・カズこと三浦知良選手は当記事執筆時点で52歳ですが、今なお第一線で活躍を続けており、同年代で運動をしていない人と比べると圧倒的に若々しい身体能力を維持しています。

これは継続的にトレーニングに励んでおり、日々の運動量も段違いであるためです。試合に出場する緊張感なども作用しているかもしれません。

キング・カズは極端な例であるにせよ、継続的に登山を続けている人の場合は加齢による身体能力の衰えが少なかったり、あるいはバテにくい体の使い方といった技術を身に付けていたりということがあります。

これこそ正に経験によるもので、若さや体力に任せた動きを控え、技術や理論に基づく動作を体得しているのです。

また、ベテラン登山者のサバイバル面における経験や勘は貴重で、ピンチの時には若い人以上に頼りになるでしょう。

特にグループで登山する場合には、このようなベテラン層の人に後見人をお願いすると心強いかもしれません。

まとめ

剣道を例にとると、60代・70代であっても達人クラスともなれば、素振りを続けて千本行っても全く汗をかかないという事例があります。

剣道と縁のない者には到底信じられない話ですが、これもベテラン登山者の身のこなしと非常によく似ています。

つまり先述の通り、体力面で衰えがあったとしても、技術や動作の面で十二分にカバーしているのです。

上記をより端的にいえば、「理に適った体の使い方」を体得しているということです。

これこそ正に、加齢に伴う体力の低下をカバーする最大の武器なのです。加齢と体力の衰えを嘆く必要はありません。

理に適った体の使い方を身に付ければ、これからも登山を楽しむことは十分に可能なのです。

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