今回はご当地のお土産がテーマです。「土産」というとつい食べ物を連想しますが、土産品は食べ物ばかりではありません。
また同じご当地のものでも、特に山では町で買えないような「山土産」というべきアイテムが見つかることもあります。
山にまつわるお土産についてチェックしてみましょう。
山小屋は土産品の宝庫
「山中では貨幣経済がほとんど通用しない」現実があります。
しかし例外はあり、山小屋では市中に近い経済活動が行われています。宿や食事を提供するだけでなく、土産品も販売しているのです。
そして山小屋でしか入手できない、いわゆるレアアイテムも存在します。
中でもバッヂは代表格でしょう。山麓でも購入できる場合はありますが、それでは効果半減です。
山頂に到達し、その記念としてバッヂを買うのです。道中の苦労と相まって忘れられない財産になるでしょう。
一昔前であればペナントがこのポジションでしたが、少しずつ見かけなくなってきました。
今やむしろ、ペナントこそが本当のレアアイテムといえるかもしれませんね。
珍しい山おやつ
おそらく登山経験者でなければ馴染みが薄いのが、「山おやつ」と呼ばれる食品です。
分類としては行動食に相当し、エナジーバーやサプリメントと同系統のものですが、これらの特色はご当地ならではの特産品を扱ったおやつであるという点です。
山おやつの例として、陣場山(奥多摩)の柚子ぼうとろ餅、金時山(箱根)の金太郎飴などが挙げられます。
単にお腹が膨れて栄養補給できるものであれば、それこそエナジーバーやサプリメントでよいということになりますが、山おやつというご当地の特色が加わった食品はまた別格なのです。
保存が効くものであれば次回の登山でも行動食として役立ちますし、登山仲間との話題作りやネタ提供の材料としても重宝するはずです。
実用性よりも「粋」を感じよう
モモンガタオルを貰いました(父の登山土産) pic.twitter.com/V6ZQ31XJAv
— inu🎬10 (@inuba_matsu) June 24, 2018
手ぬぐいや絵はがき、いずれも代用できるものが市中でいくらでも手に入ります。
機能面に関していえば、山でなければ買えないアイテムなどほとんどありません。いかに山土産の素材やデザインが優れていたとしても、それらも機能の一つとみなせば代替品は見つかりそうなものです。
では、なぜ山で買う手ぬぐいや絵はがきが特別なのでしょうか。
そこには購入者の思いが入っているからです。登頂の記念であったり、友人に登山の話をするきっかけであったりと、購入者それぞれのストーリーがあるからです。
つまり実用性は二の次で、記念やメモリアルであったり、あるいはシャレやネタの意味合いが強いのです。
お土産を受け取る側も、ムダだとかダサいなどと発言するのは野暮というもので、渡す側からの心遣いの粋を感じましょう。日常生活にちょっとした潤いが生まれるはずです。
まとめ
音楽が好きな人であれば、好きなアーティストのコンサートに出向くことがあるはずです。
コンサートが終わった後はどうしますか。そう、高確率でツアーパンフレットやバンドTシャツなどのファングッズを購入するでしょう。
不思議なもので、公演が始まる前では全然買う気が起きなくとも、公演終了後に会場の出口付近で売られているファングッズはひときわ輝いて見えるものです。
特に公演内容が素晴らしかった場合はひとしおで、普段なら絶対手を出さないようなタオルやキーホルダなども買ってしまうことがあるはずです。
この場合、実用性は二の次という場合がほとんどです。つまりこれは山土産の位置づけと同じで、いわゆるメモリアル品、記念アイテムに近いのです。
登山に伴う感動、思い出を何かの形で残そうとした時に、山土産は格好の材料といえるのではないでしょうか。
価格、デザイン、実用性だけでものを見てはいけないともいえるでしょう。