今回はシュノーケリングの開始と終了に関わる動作である、エントリーとエキジットについて解説します。
「動作もなにも、ただ単に海に飛び込んだり、海から上がるだけじゃないの」と思われるかもしれません。
しかしシュノーケリングは独特の呼吸法をはじめとして、生命の危険と付き合いながら行うスポーツです。
正しいエントリーとエキジットを身に付けずにシュノーケリングを始めることは命に関わります。
エントリーとエキジットの基本は4点
エントリー(Entry)とは陸上およびボートから海の中に入る動作を指します。
これに対し、海から陸上に、もしくは海からボートに上がる動作をエキジット(Exit)といいます。
エントリーとエキジットを安全に行うためのポイント4つあります。
波打ち際を見極める
前もって海岸に寄せる波の特徴を観察し、波の影響が少ないポイントを探しておきましょう。
エントリーとエキジットの動作を波打ち際で行うためです。
転倒の危険を回避する
装備をつけた状態で動作するため、転倒防止には細心の注意を払います。
岩場やゴロタ石などの足場が不安定な場所では、バディ同士で支えながら出入りします。特にエキジットの際には水で滑りやすくなるため要注意です。
足場を探る
フィンを履いているとつま先に重心をかけられないため、移動の際には足のかかとを先に出してすり足で進みます。
波に体をさらわれないよう、足を出すタイミングにも注意しましょう。
波の力を利用する
水中にいる間、進みたい方向に向かって波の力を利用すれば余分な動作を抑えられます。
逆に波の方向が逆の時は、一旦岩などにつかまって静止しましょう。
エントリーの手順
まずは準備作業を行いましょう。波打ち際をしばらく観察して、波が強くないポイントを選びます。
ポイントの近くに着いたらマスクやスノーケルを装着し、続いて波打ち際に入ってフィンを履きます。
その場に座るか、バディ同士で支え合って着用すればよいでしょう。
その後、バディ同士でマスク、スノーケル、フィンが正しく装着されているかを相互チェックします。これで準備は完了です。
続いて実際のエントリー動作です。
準備を終えたらバディ同士、対面で両肩に手を添えつつ海に対して斜め後ろ向きの姿勢を維持したまま進みます。
波の様子と岩の凹凸を交互に観察し、すり足で足場を確認しつつ沖へと移動します。
膝上くらいの深さの地点に着いたら互いの手を離し、引き波にタイミングを合わせて波が砕けていない水深のところまで一気に泳いでいきましょう。
エキジットの手順
エントリーと同様に、エキジットにも手順があります。
まずは沖から波の様子を観察するため、波が砕けていない海岸手前の深さで一度バディを集合させます。
そこで波が弱くエキジットに都合の良いポイントを発見し、意思統一を済ませたらバディ同士並んで寄せ波に乗って泳ぎましょう。
腰より浅い水深まで着いたら立ち上がって、足元と波を観察しながらすり足で移動します。
この際バランスを保つため、バディ同士で両腕を伸ばして互いに体を支え合うのがポイントです。
波がこないところまで上がったらバディ同士の補助を終え、マスクやスノーケルを外してOKです。
まとめ
エントリーとエキジット、双方に共通するポイントは波の観察に尽きます。波の強弱を把握し、動作に最適なポイントやタイミングを見極めるのです。
強い波は大きく移動する際に有用ですし、弱い波が寄せるポイントは波打ち際で細かい動作を行う際に適しています。
また、いかに個々の能力が高くともバディ間の連携が悪くてはエントリーやエキジットは成功しません。