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コッヘル炊飯の基本から応用まですべてを解説!固形燃料・バーナーでおいしく炊く方法

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登山やキャンプで欠かせない調理器具のひとつが「コッヘル」です。

ライスクッカーとも呼ばれ、アウトドアでおいしくお米を炊くために大活躍します。

しかし、コッヘル炊飯のコツを知っていないと、米に芯が残ったり、焦げ付いたりしてしまいがちです。

そこでこちらの記事では、固形燃料とバーナーを使う2種類の炊飯方法と、おいしく炊飯できるおすすめコッヘルをご紹介します。

コッヘル炊飯の準備をしよう

コッヘルでおいしく炊飯するためには、準備段階から気を抜けません。

しっかりと基本を守って準備をすることが、ふっくらおいしいご飯を炊き上げるためには大切です。

step
1
洗米をする

まずは炊飯の基本となる洗米です。洗米は炊飯ジャーで炊くときと同じ要領なので、いつもどおりの洗い方で構いません。

無洗米なら洗米しなくても良いので、キャンプなどのアウトドアでは無洗米を使うと便利です。

step
2
水を入れて1時間ほど吸水させる

洗米をしたらお米を水に浸して2時間ほど吸水させますが、この工程がとても大切です。

水に浸す時間が短いと芯が残ってしまいますので、最低でも1時間は吸水時間を確保しましょう。

炊飯のときに必要な水の量は、「人差し指の第一関節くらいまでの量」と言われますが、具体的な量は次のとおりです。

お米1合の場合

お米1合の場合は水の量が180ml~220mlです。200mlを目安にすれば問題ありません。

無洗米の場合は水の量を多めにして、230mlくらい入れます。

お米2合の場合

お米2合の場合に必要な水の量は450mlですが、380~450mlの間でお好みにあわせて調節してください。無洗米の場合は540mlくらいです。

お米3合の場合

お米3合に必要な水の量は650mlです。こちらも570~650mlの間で調節できます。無洗米の場合は少し多めにして、780mlくらいの水が必要です。

コッヘル炊飯の基本!バーナーを使った本格的な炊飯方法

2時間程度しっかりと吸水させたら、いよいよコッヘルで炊飯をしていきましょう。

バーナーを使う方法と固形燃料を使う方法の2種類をご紹介しますが、まずはバーナーを使って炊飯する方法から順を追って解説します。

step
1
蓋をせずに強火にかける

まずはコッヘルのフタをせずに強火にかけて沸騰させます。

沸騰するまでの間は、ときどきお米全体を混ぜるようにして、加熱具合が均等になるように気をつけてください。

step
2
沸騰し始めたら蓋をして弱火に

お湯の中に泡が現れてきて、湯気が多くなってきたら沸騰するサインです。

泡が見えてきた段階で混ぜるのをやめ、コッヘルのフタを閉めましょう。

そして、すかさず弱火にしたらフタの上に重しを乗せて圧力をかけ、炊飯を始めます。

step
3
圧力をかけながら20分間炊飯

フタの上に重しを乗せたらそのまま20分間炊飯しますが、火は最も弱くなるようにセッティングをしてください。

火が消えないように注意が必要ですが、コッヘルの中の沸騰状態が維持できる程度の弱火です。

ただし、雪山など気温が低い状態で炊飯をするときは、多少強めの火でなければお米に芯が残ってしまいます。

季節や気温にあわせて微調節しましょう。目安としては、沸騰する音が軽く聞こえるくらいが理想です。

常に沸騰音が聞こえているなら、火が強すぎる合図だと判断できます。

step
4
コッヘルを保温して蒸らす

20分間炊飯したらバーナーの火を消して、絶対にフタを開けず、タオルなどでコッヘルを包み保温バッグの中で15~30分ほど蒸らしてください。

このときコッヘルを逆さにして置くと、蒸気の逆流によってコッヘルの底についているご飯やおこげが剥がれやすくなります。

蒸らし時間が終わったら、炊飯完了です。

簡単でおいしい!固形燃料を使ったコッヘル炊飯の方法

バーナーでの炊飯方法の次は、固形燃料を使ったコッヘルでの炊飯をご紹介します。

お米1合を炊くのに必要な固形燃料はコッヘルの形によって変わりますが、お米1合であれば20~25g程度で問題ありません。

step
1
蓋をしたコッヘルを火にかける

まずはコッヘルにフタをして、固形燃料をセットしたポケットストーブの上に置きます。

固形燃料に火をつけたら、風で火が消えないようにウインドシールドなどで周りを囲むと安心です。

step
2
沸騰し始めたら重しを乗せる

コッヘルの中が沸騰し始めたら、吹きこぼれる前にフタの上に重しを乗せてください。

重しは何でも構いませんが、軽すぎるとコッヘル内の蒸気が逃げてふっくらと炊きあがらないので、ある程度重さのあるものを乗せるようにします。

缶詰やレトルトカレーを乗せると、熱で温められるので一石二鳥です。

step
3
固形燃料がなくなるまでそのまま放置

フタの上に重しを置いたら、固形燃料がすべてなくなるまでそのまま放置します。

絶対にしてはいけないことは、途中でフタを開けることです。時間にして15分程度、ひたすら放置しましょう。

step
4
コッヘルを保温して蒸らす

固形燃料がすべてなくなって火が消えたら、バーナーのときと同じ要領で蒸らします。

蒸らし方や蒸らし時間はバーナーで炊飯したときと全く同じで、20分間保温したら炊飯完了です。

コッヘル炊飯で焦げ付きを防ぐ方法は?

炊飯方法を知っていても、焦げ付いてしまうことがあるのがコッヘルです。

焦げ付くとご飯がおいしくなくなるだけでなく、こびりついた焦げを削ぎ落とすにも一苦労します。

そこで、コッヘルで適度なおこげを作りながら、焦げ付きを防ぐための方法をご紹介します。

焦げ付きを防ぐ方法

焦げ付きにくいコッヘルを選ぶ

焦げ付きを防ぐための基本は、焦げ付きにくいコッヘルを選ぶことです。

コッヘルは製品ごとに材質が違い、チタン製は焦げ付きやすく、アルミニウム製のものは焦げ付きにくい傾向があります。

フッ素加工が施されているコッヘルは、焦げ付きにくく取り扱いやすいのでおすすめです。

バーナーと金網・銅板を使って炊飯

すでに焦げ付きやすいチタン製のコッヘルを持っている場合でも、セラミック製の金網や薄い銅板を使って炊飯をすれば、使わないときと比較して断然焦げ付きにくくなります。

金網や銅板の使い方は、バーナーの上に敷いて、その上にコッヘルを乗せて炊飯するだけです。

金属製の板を間に挟むだけで、簡単に焦げ付きを防止することができます。

金網や銅板はホームセンターなどで市販されているもので構いません。チタン製コッヘルを使うなら、裏技として覚えておいて損はないでしょう。

早めに火から下ろし余熱で炊く

焦げ付いてしまう前に火から下ろすという方法もあります。先にご紹介した炊飯方法では、弱火で20分間炊くと解説しました。

しかしこの方法では、20分の経過を待たずに、少し早めに火から下ろして蒸らし時間を長くします。

余熱を利用して炊飯するという方法ですが、この方法では、中心部が焦げやすくなることがデメリットです。

チタン製コッヘルの焦げ付き防止にも使える方法ですが、より完璧な状態を目指したい場合は、金網や銅板を使う方をおすすめします。

おいしく炊飯できるおすすめコッヘル3選

山やキャンプ上で炊飯をするためには、やはりコッヘルがあると便利です。

そこでここからは、登山などのアウトドアに最適なおすすめコッヘルを3つご紹介します。

調理器具を初めて購入するという方にも使いやすいように、コッヘルやクッカー、鍋がセットになっているものもピックアップしました。

おすすめコッヘル

【キャプテンスタッグ】 ラグナ ステンレスクッカーLセット

キャプテンスタッグの「ラグナ ステンレスクッカーLセット」は、20cm鍋、16cm鍋、22cmフライパン、900mlケトルクッカー、取っ手のセット商品です。

ステンレスなので重量はすべてあわせて2kgと少々重いですが、錆や汚れ、熱に強いステンレス製調理器具はアウトドアに最適です。

熱伝導率が低く冷めにくい材質でもあるので、炊飯後の蒸らしもしっかりと行えます。

【ユニフレーム】ごはんクッカープラス

ユニフレームの「ごはんクッカープラス」は、アルミ製のライスクッカー、アルミクッカー、フライパンの3点セットです。

ライスクッカーとアルミクッカーは炊飯しやすいようにメモリがついていて、1~3合までの水の量が一目でわかります。

アルミニウムは非常に熱伝導率が高いため、熱が全体にむらなく行き渡り、炊飯には最も適した材質です。

アルマイト加工が施されているため、腐食や傷の心配も軽減されます。「炊飯する」ということに特化した調理器具セットです。

【ダグ】ブラックアルミクッカー POT-S

ダグの「ブラックアルミクッカー」の最大の特徴は「軽量・コンパクト」なことで、非常に携帯性に優れています。

深型のクッカーの中には、パワーカートリッジと小型のバーナーが収納できるようになっていて、パッキングをするときにとても便利です。

サイズは幅95mm×深さ111mm、重量も180gと軽量なため、必要最小限の荷物でアウトドアをしたいときに適しています。

またアルミニウムには、アルマイト加工よりも硬く、耐摩耗性に優れた「ハードアノダイズド加工」が施されており、耐久性にも期待できる製品です。

知っておきたい!キャンプ炊飯で使える豆知識

実際にコッヘルでキャンプ炊飯をする前に、知っておくと便利な豆知識をご紹介します。

これらの知識は、知っておくといざというときに使えるものばかりです。

登山者としてのレベルを上げたいと考えている方なら、ぜひ知っておきましょう。

キャンプ炊飯の豆知識

お米の持ち運びにはジップロックかペットボトル

キャンプや登山ではお米の持ち運び法に困る方も多いようですが、ジップロックかペットボトルに入れることがおすすめです。

ジップロックは耐久性が高く、ザックの中で破れてお米がこぼれてしまう心配もありません。密閉できることから、お米が吸湿してしまうのも防げます。

ペットボトルは持ち運びにも便利ですが、それだけでなく、お米の計量にも使える非常に便利なアイテムです。

500mlのペットボトル1本分で2合、300mlのペットボトル1本でちょうど1合です。

お米を入れるだけで量を測ることができるのは、容量が決まっているペットボトルの大きな利点と言えます。

冬場なら米を洗って持っていく方法も

山で洗米することの環境への影響が不安な方や、キャンプ場での炊飯時間を短くしたい方は、米を洗って持っていくことができる「洗い米」がおすすめです。

洗い米とは、洗米して水に浸した後、水切りしたお米のことを指します。

自宅で洗米してから持っていけば環境への心配もありませんし、洗米の時間を節約することも可能です。

さらに炊飯時間も短くなるので、キャンプでご飯炊くことが簡単になります。

洗い米は洗米をして吸水させた後、ザルにあげて水分を切るだけで完成です。そのままジップロックの中に入れて山へ持って行けます。

ただし、水に浸したお米は保存がきかないため、冷蔵環境がなければ夏場は止めておくべきです。

周辺の気温次第ですが、冬山などに持っていくなら1日程度は保存できると思われます。

フライパンを使ってご飯を炊くこともできる

もしコッヘルを持っていない場合、フライパンでご飯を炊くこともできます。

荷物を増やしたくないときにも便利な技なので、フライパンでの炊飯方法も知っておきましょう。

洗米から吸水の手順はコッヘルと同じです。炊飯の流れだけご紹介します。

step
1
10分間弱火にかける

まずはフタをせずに、10分間弱火にかけて加熱しますが、フライパンは沸騰しやすいので火加減に注意しましょう。

ときどきお米全体をかきまぜながら、沸騰するまでに10分間かかるように加熱します。

沸騰するまでの時間が短すぎると芯が残り、長すぎると水分の多いご飯になるためこの段階が大切です。

step
2
フタをして15分間炊飯

10分間加熱して沸騰が始まったら、フタをして15分間炊飯をします。

フタはアルミホイルで代用しても良いでしょう。隙間から蒸気が逃げないように、しっかりと密閉するようにしてください。

step
3
強火にした後すぐに火を消す

15分間炊飯をして、炊飯の音が弾けるような大きな音になってきたら、強火にした後すぐに火を消します。

強火にするのはほんの僅かな時間だけで構いません。10秒程度で良いですが、おこげを作りたいなら20秒程度がおすすめです。

step
4
フタをしたまま蒸らす

火を消したら、フタを開けずにそのまま10分間蒸らします。

前のステップで一瞬だけ強火にしたのは、蒸らしの間も高温状態を保てるようにするためです。

10分間蒸らしたらフタを開けてほぐし、頂きましょう。

まとめ


初めて挑戦する方にとっては難しそうだと感じられるでしょうが、やり方さえ覚えてしまえば、コッヘル炊飯は決して難しくありません。

むしろ、自分好みのご飯が炊けるようになれば、炊飯ジャーよりおいしく炊ける可能性もあります。

今回ご紹介した炊飯方法やおすすめのコッヘルを参考にして、ぜひ山での炊飯に挑戦してみてください。

湯煎で温かくできるパックご飯も便利ですが、コッヘルを使って本格的なご飯を炊けば、いつも以上に食事がおいしく感じられること間違いなしです。

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